卒業に寄せて

本校では2023年3月18日に第64回卒業証書授与式が行われました。コロナ禍での苦労を経て、晴れて卒業の日を迎えた2022年度の卒業生 108名を代表し、7名の生徒が卒業にあたっての思いをつづってくれました。

 

毎日コツコツ(小学部卒業生 オスィフシェン英美里)

 

 私はワシントン日本語学校での7年間で、大切な思い出がたくさんできました。幼稚部から低学年の時は、友達と遊ぶのが一番の楽しみでした。1年生の時の「お店屋さんごっこ」は最高に楽しかったです。4年生ではコロナで休校になりましたが、オンライン授業が始まると、先生方がいろいろな興味を持てる話をしてくださったり、ギターを弾いてくださったりしたのが印象に残っています。また、俳句・短歌クラブに入って、新しいことにも挑戦しました。5年生では、友達と再会できたことが本当にうれしかったです。6年生では、運動会や生徒会、久しぶりに受けた漢字検定など、良い経験をたくさん積むことができました。

 いろいろと大変だったこともあります。とくに習い事の練習との両立は難しく、「時間の管理」の大切さを学びました。中学生になったら、ますます宿題やテスト勉強は増えると思いますが、感謝の気持ちを忘れずコツコツとがんばっていきたいです。新しくどんな思い出を作れるのか、今からワクワクしています。

 

日本語学校に通って良かったこと(小学部卒業生 加島優希)

 

 私はこの6年の間、日本語学校でさまざまなことをがんばってきました。とくに、漢字の読み方や書き方の学習に力を入れて取り組みました。50問テストは大変だったけど、日本に行って、いろいろな看板などが読めた時、「二つの言語を知っていて良かったな」と思いました。また、日本に住んでいる祖父母や友達と話すことができるのも、日本語の学習を続けてきたからだと思います。3年生までは、夏休みの間、3週間だけ日本の小学校に体験入学して、すごく楽しかったです。給食があったり、上靴をはいたり、とてもユニークな経験でした。

 6年生の時に日本の歴史も学び、日本への理解も深まりました。日本では縄文時代の家や広島の原爆ドームと資料館、姫路城など学校で学んだところに行き、もっと詳しく知れてうれしかったです。2年生と3年生の時には、放課後教室でお習字も学びました。先生がとても優しかったし、そこでも友達を作れて楽しかったです。日本語学校のおかげで、いろいろな経験ができて、ありがたいです。これからも日本語学校でがんばって勉強を続け、もっと良い思い出を作りたいです。

 

友達との深い絆(小学部卒業生 金野美咲)

 

 私は日本語学校に6年間通い、いろいろな友達に出会うことができました。沢山の思い出を作り、さまざまな困難を乗り越えられたのは、友達と家族のサポートのお陰だと思います。

 毎年のクラス替えで友達と離れてしまうのは悲しいですが、新しい友達ができるのはとてもうれしいことでした。こうして毎年どんどん新しい友達ができるようになり、毎週日本語学校に行くのがとても楽しみでした。一方、仲良くなった友達の中には日本に帰国する友達もいますが、日本語学校で深めた絆のお陰で、今でも連絡を取りあい、一時帰国の際には必ず会う友達もいます。これからも数多くの友達と絆を深め、良い思い出を作っていきたいと思います。

 

卒業を起点に(中学部卒業生 横山葉夏)

 

 私は転校生として、渡米直後の小学4年生の9月から日本語学校へ通い始めました。それから約5年も経ち、もう中学を卒業するということに、いまだ実感が湧きません。ここ数年間は、コロナ禍で小学校の卒業式が中止になったり、授業はオンラインに移行したりなど悲しかったことが沢山ありました。

 しかし、最後の一年はコロナが落ち着いてきて、教室で友達と共に授業を受けることができ、運動会などの行事にも参加することができました。オンラインではあまり身が入らなかった授業は対面だとすごく楽しくて、また休み時間に友達と話すこともできて、対面授業が復活して本当に良かったと感じました。そして、慣れない在米生活において日本語学校の存在は非常に大きいものでした。現地校で英語の理解に苦しんでいた私にとって、日本語に触れ合い学び続けられる場は、大きな心の支えとなりました。毎週土曜日が「楽しい」という気持ちが強かったからこそ、授業に集中し、積極的に参加することができました。来年度からの高等部でも精進していきたいと思っています。

 

楽しい思い出なぞなぞ 

田中仁(高2)・伶奈(中3)・詩乃(小6) 

 

 誰の思い出でしょう。ぜひ当ててみてください。

1. 弁当を忘れ、落ち込んだ。「昼食は、ぜひ和風のものを」と先生がお話ししていたことを覚えていた父が、寿司弁当を届けてくれた。かなり美味しかった。弁当を忘れることはそう悪くないと思った。

2. 教室で「計算スキル」を開いて、血の気が引いた。表紙が似ている、小1の妹のものだった。教室に届けに行くべきかと悩んで、その日が終わった

3. お下がりに素敵な靴をもらった。家族全員が反対したけど、うれしくて運動会の日に履いた。全力でかけっこしたら、大きめだった靴が脱げ、空を飛んだ。私は一番最後にゴールしたが、高さでは1位だったはず。

 

出典:みらい通信2023年3月号

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