2020年度の卒業生を代表し、7名の生徒が卒業にあたっての思いを言葉にしてくれました。
感謝の気持ち(小学部卒業生 小寺聖蘭)
私が補習校に心から感謝している3つの理由がある。第一に日本語が完璧に話せるようになったおかげで、将来日本で働くという夢に一歩近づいた。
2つ目に日本の小学校の擬似体験ができたことだ。毎週大好きな日本の小学校で体験入学をしているようで、楽しい思い出となった。
最後に、一生仲良くしたい親友ができたことだ。辛い勉強を乗り越えられたのは友達のおかげだ。このような経験をさせてくれた先生方と両親に感謝している。
卒業に寄せて(小学部卒業生 カヴァロ淳之介)
母に「日本語学校に行きたい? 」と聞かれたのは、6歳の時。入学前に授業見学し、張り切って「うん」と答えた時に思い描いていた日本語学校と、実際の学校生活には大きな違いがありました。当時、僕は楽しそうな授業にしか頭が回らず、宿題の事はすっかり忘れてたのだと思います。
3年生の時にサッカー部ができ、すぐに参加しました。トラベルチームとは違って、日本語学校では学年やクラスが違っても放課後に集まり、試合中、相手チームにはわからない言語で声をかけ合えるという、特別な楽しさがありました。
この6年間いろんな友達に出会い、日本語も上達しました。宿題が辛い時も、授業に集中できない時もありましたが、頑張って通学してよかったと思います。本当は中学部で運動会の応援団に入ったり、サッカー部も続けたかったですが、僕は日本語学校を卒業します。
私にとっての宝物(中学部卒業生 山﨑雪舟)
幼稚部に入園してから10年がすぎ、中学卒業を迎えました。ここまで頑張れたのは見守り、指導してくださった先生方や両親のおかげです。
厳しいことを言われ悲しくなった時も、また勝負に負けて悔し泣きした日もありました。汗をかいた運動会、一緒に食べたお弁当など日本語学校で得たかけがえのない時間は私にとっての宝物です。
在校生の皆さんも日本語学校生活を楽しんでください。ありがとうございました。
日本語学校、ありがとう(中学部卒業生 加納海青)
日本語学校に通った9年間は、本当にあっと言う間だった。特に、今年度はオンラインに変わり、さらに時間が過ぎるのを早く感じた。
この9年、楽しい事ばかりではなかった。毎週宿題に追われ、何度、退学しようと思ったか。その度に、両親、先生、友達に支えられてきた。
今は、日本語学校にずっと通い続けてきた自分に大きな自信を持つことができた。そして「継続は力なり」の言葉通り、あきらめずに続けることの大切さを学んだ。これは、今後の僕の人生に大きな影響を与える事になるだろう。いろんなことにチャレンジをし、その途中で行き詰まることがあっても、簡単に諦めず、何事もやり遂げる忍耐力を培うことができた。日本語学校、ありがとう。
9年間ありがとう(中学部卒業生 中島健太郎)
僕は漢字が苦手だ。だから日本語の宿題は苦労した。でも、毎年夏に日本へ行って、体験入学するのは大好きだった。日本が大好きだから、漢字や宿題が苦手でストレスに感じることがあったけど、日本語学校へ通うことは僕には当たり前と思っていた。幼稚部から通っていた日本語学校だが、ここまで決して平坦な道ではなかった。中学に入るとすぐに授業内容が難しくなり、宿題も増えた。現地校も急に忙しくなった。もうここで日本語学校を辞めるしかないと思った。でも先生方や友達に支えられ励まされて、卒業まで頑張ってたどり着くことができた。お世話になった先生方や一緒に学んだ友達には心より感謝している。ありがとうございました。
みんな、ありがとう!(中学部卒業生 佐藤ジュリアン)
幼稚園から通ったこの学校。これが私の最後の日本語学校です。本当のことを言うと、最初のころは学校が嫌いでした。たくさん宿題やテストもあったし、土曜日にゆっくりしたかったからです。時々宿題のことで母と言い合いや喧嘩もしました。でも、あきらめないでがんばってみたら、だんだん楽しくなっていきました。たくさん友達ができて、先生の助けでクラスももっと分かるようになりました。日本の歴史や俳句はおもしろかったし、運動会も楽しかったです。あの時あきらめないでがんばって、よかったです。ここまで続けてこられたのは友達、先生、両親のおかげです。本当にありがとうございました!
日本語学校で得た心の繋がり(高等部卒業生 前山春奈)
約4年通った日本語学校を卒業となり、これまでの学校生活が走馬灯のようによみがえります。たわいのない会話や友達との関わりは、とても温かい大切な思い出として私の心に残っています。
高校2年生として最も思い出に残っていることは生徒会です。今回は特別に同学年に5人の生徒会員、私含め2人の生徒会長がいたことにより、気軽に毎週ミーティングを行いました。このコロナ禍で全校生徒をどう鼓舞するべきか5人で何時間も話し合い、例年とは違うオンラインで開催できる複数のイベントを開くことができました。
一年間のオンライン授業によって人との新しい形の繋がり方に慣れました。この友情の繋がりは、これからの時代を違う場所で生きていく私たちの心の支えになり自信を与えてくれます。私は日本語学校で得た心の和を大切にして、自信をもって人生を着実に歩んでいきたいと思います。
出典:みらい通信2021年3月号